憲法記念日にちなみ
その659 …憲法記念日にちなみ
長良教会の青年時代に、岐阜市内の靖国問題勉強会に出ていました。後の神学校での学びも合わせて、革命について教えられました。戦争や暴力の話ではなく、国を治める者が立つ権威に関する問いです。革命とは、天命による王の交代を意味します。近隣の中国や韓半島においても、王朝が何度も交代しました。王は天命に従って国を治めるように任されます。人民を傷つける悪政を続けるならば、天が代わりの王を立てると考えます。アジアから欧州の多くの国は、この意味における革命の歴史を経たと言えるでしょう。多少の差はありますが、天命を恐れ、国民を粗末に扱えない意識が働きます。国民も、天が国政を任せないと判断するならば、王に反旗を翻します。王の交代によって国が一時的に壊されますが、次の王が天命に従い作り上げます。
日本は、天皇が国政を担った大和~平安朝から、天皇の命により国政を任された鎌倉~徳川幕府、天皇に国政が返還された明治へと続きました。敗戦を経て、初めて国民の主権に基づく日本国が生まれましたが、大臣は天皇に任命され続けています。日本は、良くも悪くも革命を経験していないので、変わることへの恐れが先立ち、貫かれるべき正義を見失う傾向を否定できません。
社会や国が安定して平和が保たれるのは、望ましいことです。しかし、国体の維持よりも、人々とその尊厳が大切にされるべきです。天命は、人の為に国が仕えることを望み、国の為に人が犠牲になることを望みません。それは、地方自治や、会社経営、社会生活にも貫かれるべき真理です。私たちは、人を贖うために死なれ、よみがえられた主によって天命を知ります。身近な問題も、国政に対しても、造る責任意識をもって吟味する誠実さ、改善する責任をもって変える覚悟が求められる時代と意識します。
「わたしは彼をイスラエルの王位から退けている」Ⅰサムエル16:1抜粋