政治的話題の処方

毎年8月6日には、原爆投下された広島に世代を越えた耳目が集まります。今年は、コロナ感染とオリンピック関係の報道にかき消された感があり、残念でした。先々週、原爆投下後の汚染された雨により被ばくされた方々への補償が認められたことは、被爆者行政に差し込む光明となりました。続いて、被爆国である日本が「核兵器禁止条約」に署名し、批准する日が来るように願います。

 さて、このような政治的と言われる分野の会話が、会社や学校は勿論、家庭でも教会でも、避けられる傾向があります。世界の常識とは大きく異なる文化の貧しさです。私たちも練習して、話し合いができるようになりましょう。核心・見通し・慣れの練習です。

 まず、問題の核心を探ることです。核心にたどり着けない事もありますが、見えるのはほんの一部であり、後は自分で考え調べるという姿勢を持つことです。例えば、核兵器禁止条約に署名しないのは、政権が核武装を捨て切れないからです。なぜなのか。自分なりに利点と課題を、日本の将来像から考えると良いと思います。

 次に見通しです。核心を見出そうとすると、将来の予想にも目が開かれ、現在の自分につながります。環境問題は、便利さの裏側にある自然破壊が、回復できない臨界点を越える問題です。また、恩恵を受けていない人から被害を受ける、痛ましさがあります。

 慣れは、人格を尊重した上で、意見の違いと感情の違いを認めることです。意見の違う大好きな人も、同じ意見の避けたい人も、大切な仲間です。意見を通すより、意見を積上げる練習が幸いです。

 教会には、共同体意識という宝があります。家の教会では、神から受けた愛と賜物を、隣人の祝福を願って皆で用います。この生き方を経験して習得することにより、隣人関係の本質に気付き修正できます。国際レベルでの課題にも、関心と共感を持つ人柄に育ちます。核心・見通し・慣れは、家の教会が練習場です。感謝します!

「何も持っていないようでも、すべてのものを持っています」Ⅱコリント6:10抜粋